「婚約指輪」と「結婚指輪」について
夫婦にとって一生に一度だけ購入するものと言えば、まず一番先にあげられるものが「婚約指輪」や「結婚指輪」でしょう。
一生に一度の選択になる指輪は、どのように選んだらいいのでしょうか。一生に一度ですから、選択に迷っている人も少なくないでしょう。そこで、今回は「婚約指輪」と「結婚指輪」の違いや背景を解説します。「婚約指輪」と「結婚指輪」の成り立ちと歴史を知ると、購入する際の参考にしてください。
プロポーズの際に必要となる婚約指輪
婚約指輪は、「プロポーズの際に必要となる指輪」です。結婚の約束を、見える形で周りに示す証となる指輪と表現してもいいでしょう。
婚約には法的なルールがないので、目に見える形で男性が女性に誠意を表す重要な意味をもつ指輪です。日本には古くからの習慣で結納が行われていますが、婚約指輪を結婚する人へ贈る習慣はもともとありませんでした。しかし、近年では結納とともに婚約指輪を披露するケースも少なくないようです。そのため婚約指輪は、結婚に向けての愛情を形にあらわす側面が強いと言えます。
ちなみに、婚約指輪に使われる宝石は「ダイヤモンド」が定番となっていますが、これはダイヤモンドに「永遠に変わらぬ愛情」という意味が込められているためです。世界で最も硬い鉱物であるダイヤモンドに相応しい言葉と言えますが、昨今はダイヤモンドに限らず、ルビーやサファイアなどが使われた婚約指輪なども人気を博しています。定番のものよりも、好きな宝石を使った指輪が欲しいという人が増加していることの表れと言えるでしょう。
鍛造法で作られた結婚指輪が人気
一方、結婚指輪は既に結婚していることを証明する指輪です。夫婦で身に着ける指輪として世間一般認知されており、テレビドラマなどでもさまざまな場面で使用されます。
とくに、西洋式の結婚式においては「指輪交換」というイベントが存在するので、挙式に合わせて好みのペアリングを用意するのが一般的です。宝石店に足を運べば、プラチナやシルバーなどさまざまな貴金属で作られた結婚指輪を見られるでしょう。また、昨今は金属アレルギーの人に向けて、石製や木製のリングも存在します。また、著名人同士の結婚式においては、結婚指輪の豪華さや値段などが報道されることも少なくありません。
ちなみに、プラチナや金のような貴金属はサビに強いことで知られていますが、強度や硬度はとても弱いという欠点があります。そのため、結婚指輪には貴金属に銅やパラジウムなどを混ぜた合金が使われます。また、昨今は変形やキズに強くするため、金属そのものを鍛えて強くする「鍛造法」と呼ばれる製法で作られた結婚指輪にも人気が集まっています。
それぞれ贈ることになった背景や歴史について
「婚約指輪」と「結婚指輪」の歴史は古く、それぞれ違う役割があります。
「婚約指輪」の歴史をさかのぼると古代ローマ時代だとされています。当時のローマ帝国では「婚約指輪」を成婚の証として男性から、女性に贈り、純潔を守ることを義務とされていました。当時の指輪は、「鉄」を使用して作られたものが大半だと言われており、貴金属が主流である現在と大きく異なっています。
また、「婚約指輪」の歴史は「婚約指輪」より後になってできた習慣です。ヨーロッパで9世紀になってから指輪による結婚の証明が認められ、11世紀になると、男女が結婚する際に交換する指輪として習慣になりました。この習慣が欧米や日本に伝わり、今日まで続く結婚指輪の文化となっているのです。